六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

丸いタイプを最近見ない

 

吊り革という名前はどうかと思う。

 

よくよく考えてみてほしい。「吊り革」である。

 

まず、革ではない。持ち手も、それを支えるベルト状のものも、なんらかの樹脂的なサムシングでできている。

 

この時点で、名前に矛盾が生じている。

 

これに対して、「昔はあのベルトが革だったんだよ、吊り革という名前はその名残なんだよ」という人がいるかも知れない。

 

待ってほしい。

 

コトバンクによれば、「吊る」とは『物の上部を固定して垂れ下げる。上からぶらさげる。また、物の両端を固定して空中にかけ渡す。』という意味だそうだ。

 

何かおかしくないだろうか。

 

そう、吊られているのは往時に革製だったであろうベルト部分ではないのである。

 

前に使ったオッサンの手汗がついているとなんとも不快な気分にさせられる、あの掴まる輪っかなのだ。

 

あの輪っかも、以前は革製だったのだろうか。

 

なんにせよ、今の吊り革によりふさわしいネーミングはおそらく「吊り輪」である。

 

考えてみると、電車の吊り革で体操選手の真似事をしておかんに怒られるのは、誰しもが一度は通る道だ。

 

いっそのこと、どっちも「吊り輪」に統一すればいいのかも知れない。