ルノワールではないのだ
ルノアールが一階にない。
ふと気付いた。
スタバやブルーボトルほど気取らず、ドトールやエクセルシオールほどチープでもなく。
ゆったりとした時間を過ごさせてくれるあのルノアールが、一階にない気がするのだ。
ルノアールは、少しお高めの喫茶店である。
価格帯の高さは、椅子の座り心地の良さや、温かいお茶を頂けるあたりに、きちんと反映されている。
ドトールほどチープでもなければ、ブルーボトルほど気取らずに、少しだけ上質な時間を過ごせる。それがルノアールなのだ。
そのルノアールが、一階にない。
ここで一つの仮説を立てた。
「ルノアールは、客に雑踏から距離を置いて上質な時間を過ごしてもらうために、わざと二階や地下に店舗を作っているのではないか?」
もしそうだとすれば、私がよりルノアールのことを好きになることは間違いない。
仮にそんなことはなく、単なる偶然だったとしても、私は変わらずルノアールをこよなく愛すだろう。
次はいつルノアールに行こうか。