六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

シャア専用車

世間で、性の多様性が叫ばれるようになって久しい。

 

渋谷区が同性婚を制度的に可能にする、というニュースは、もう随分前のことのような気がする。世界的に多様な性を表すレインボーのイメージカラーは、日本でも特に若い世代にはかなり定着したような実感があるし、英語圏では、三人称単数にheでもsheでもなくtheyを使おうという動きもあるそうだ。

 

また、先日東京都が行った2020年のオリンピックまでに「LGBT用トイレ」を整備するという発表は物議を醸した。この施策の良し悪しに対する議論はひとまず置いておいて、性の多様性に対する人々の意識が高まってきているのは確かだ。

 

そこでふと電車を見てみると、女性専用車である。「女性専用」という響きがもうだいぶアレだ。女性専用車、冷静に考えて時代を逆行しまくりではないか。

 

そもそもなぜ女性専用車なるものが生まれたのかと言えば、痴漢がいるからである。満員電車の混乱に乗じて、女性の体を触る人間がいるために、そういう輩を排除した車両を作って、女性が安心して電車に乗れるようにしようというわけだ。

 

なぜ男性専用車はないのか、という疑問は残るが、男女比率の問題とかなんか色々あるのだろう。とりあえず、理屈は通っていると思う。

 

そもそも僕は女性専用車の存在にそこまで大きな疑問を抱いているわけではない。僕が使っている地下鉄には女性専用車はないし、女性専用車はガラガラなのに隣の車両はギュウギュウなんて状況に出くわしたこともない。

 

「男」である自分にはわからない悩みや恐怖の形を、女性専用車を必要としている人たちは持っているのだろう。自分はそう納得していて、特に不満を感じることはない。

 

ただ、この世間の流れの中、女性専用車に対する風当たりはますます強まっていくものと予想される。各鉄道会社も、何も対処せずに今まで通り女性専用車を運用するわけにも行かないと思うのだ。

 

では、どうすればいいのだろうか。

 

僕の提案は、満員電車がなくなって、痴漢というものがそもそも発生しないくらいゆとりがあって生産性の高い通勤環境を作ることである。

 

それは鉄道会社がなんとかできる問題ではない。

 

満員電車はクソ。(結論になっていない)(結論になってる日の方が少ない)