シカクいヘヤをマルく掃く
「シカクいアタマをマルくする」という電車広告がある。日能研の広告で、色々な有名中学校の入試問題を掲載しているものだ。小学生が解くものだと侮るなかれ、これがなかなかの難問揃いで、小一時間悩まされることも少なくない。
この「シカクいアタマをマルくする」という広告の一番の特徴は、答えがないことである。
もちろん学校側は模範解答を用意しているわけで、日能研も独自の解答を作ってはいるのだろう。
しかし、それを広告に掲載することはしない。これは日能研の「入試問題には明確な答えが用意されているが、世の中にある問題のほとんどには答えがない。将来を担う子どもたちに、答えのない問題を考えるという経験の中で問題解決能力を養ってもらいたい」という思想が現れているのだ。
そう思っていたのだが。
今、すぐそこに貼ってある広告を見ると、「問題の解答・解説や見どころ、出題意図やインタビューを公式ウェブサイトで!」
こう書いてある。
僕の記憶が正しければ、少し前までは「シカクいアタマをマルくする」には解答解説を掲載したウェブサイトに誘導するような記載はなかったはずだ。
そこが潔くて好きだったのである。
確かにこれを書いたら、答えが気になって思わず公式ウェブサイトにアクセスしてしまうかもしれない。
特に僕のように、しょうもないこともはっきりさせておかないと気持ちが悪いタイプの人間に対しては、有効な施策なのだろう。(まあ、僕に関しては塾に通わせる子供がいるわけでもないのでただ答えを見て終わるが)
しかし、そういう問題ではないのだ。答えを一切載せないところに、この広告の良さが、日能研の思想があったのだ。僕はそう思っていた。
非常に残念である。
まあ、勘違いかも知れないけど。
今回のウミガメの問題も、悔しいので答えは見ません。わかんないけど。