六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

そこに金があるなら

昨日、少し大きめな買い物をした。コロンビアの登山靴を買ったのだ。1万5千円と、登山靴としてはお手頃な入門価格であるとは言え、決して安くはない額である。

 

なぜかと言えば、今週末、友人と富士登山をすることが決まっているからだ。ランニングシューズで行けるらしいとも聞いたが、足元に関しては万難を排した形である。

 

そもそも最初はレンタルで済ませようと考えていたのだが、結局買ってしまった。三つの店を回って熟孝を重ねた結果であった。

 

この登山靴の決定は、金額以上に、僕にとって一つの大きな決断だったのだ。

 

当方、水と緑が大好きな人間である。生まれてこのかた東京を出たことがないというのもいくらかあるかも知れないが、都会の喧騒より、田舎の緑に包まれるような環境の方が幸せを感じるのだ。

 

そういう人間は、山を始めたら絶対にハマるだろう。

 

山は、美しく、楽しい(たぶん)。しかしそれと同時に、怖い。遭難事故のニュースは毎年必ず数件あるし、大学にいた頃には他大の同世代の山岳部員が死亡する事故も何件か起きていた。それなりの大学の山岳部であるから、きちんと準備をした結果である。山というのは、死がそこにある場所なのだ。実際、大学に入った時、ワンゲルも考えた。しかし、母親に「死ぬからやめなさい」と言われて考え直した。死ぬのは怖い。

 

また、山は金をかけ始めるときりがない趣味だと聞く。実際、昨日行ったショップも軒並み高かった。ゴアテックスはなぜあんなに高いのか。金箔でも織り込んでいるのかと思うほど高い。

 

ということで、どハマりすると命を危険にさらしながらダバダバと金を搾り取られそうな山という趣味を、僕は今まで意識的に避けてきたのだ。しかし今回、登山靴を買ってしまった。レンタルなら3500円で済んでいた登山靴に1万5千円かけたのだ。少なくともあと3回は山に登らないと損というものだろう。ちなみに今回モンベルのヘッドライトも買っている。3千円だ。レンタルは500円だったから、あと5回は夜の山を登る必要がある。

 

まずは奥多摩がいい。陣馬も一度行ってみたい。低山でいいのだ。登りやすいところで、それから段々標高を上げていって、テント泊も増やして………

 

ハマる気しかしないのだ、結局。

 

ここで、一つだけ決心を述べておこう。

 

「冬山には登らない」

 

逆に言えば、それ以外はやるということだろうか。

 

ともかく、コロンビアさん、モンベルさん、パタゴニアさん、ノースフェイスさん、今後ともよろしくお願い致します。

 

週末が楽しみで仕方ない。