六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

やったけど家に忘れました

新学期である。

 

一般的に会社勤めの人間は、「新学期」というものの到来を実感しにくい。会社に学期などというものはないからだ。夏休みもなければ宿題もない。朝顔の観察日記も自由研究も漢字ドリルもしなくていいが、その代わりその他のやるべきことが毎日毎日クソほどあるのが会社勤めだ。たぶん。

 

しかし僕の場合、家から最寄り駅までの道に「こども見守り隊」的なおばちゃんが何人かいるので、おばちゃんが出現したことで新学期を感じることができたのだ。今日はたまたま通り過ぎたタイミングがお取り込み中で、残念ながら挨拶はできなかったが。

 

逆に、7月中旬におばちゃんが突然消えた時はショックだった。毎朝同じ場所で、あのT字路とあの駐車場の前で、元気に挨拶をしていたあのおばちゃんたちが忽然と姿を消したのだ。いわば神隠し。人数が人数ならアンビリーバボー案件である。涙をこらえて会社に向かったのが今は遠い昔のようだ。

 

さて、そんな新学期が始まる今日は、こどもの自殺が一年で最も多いと言われているらしい。理由は言うまでもないが、学校に行くくらいなら死んでしまいたいと思えるほど、学校で嫌な思いをしているこどもが多くいるのは何とも悲しい話である。

 

学校というのは、そこそこ楽しくて、そこそこめんどくさいところでなければならない。死ぬほど嫌なところであってはならないのだ。と言うか、人が死んでいい理由などない。

 

暗い話はこの辺にしておこう。久しぶりにきなこ揚げパンを食べたくなった。