六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

今日から使えるガリガリ君メソッド

ガリガリ君は、考えてみればすごいネーミングである。

 

擬音語に「君」を付けただけ。至ってシンプルながら、名は体を表すを地で行く、非常にわかりやすいネーミングだ。

 

擬音語に「君」を付けるこのネーミング手法を、ここでは「ガリガリ君メソッド」と呼ぶことにする。

 

ガリガリ君メソッドに則って様々なものに名前をつけてみると、
焼き立てのクッキーは「サクサク君」、
新鮮なレタスは「シャキシャキ君」
となるだろうか。

 

やはり、名前だけでどんな食べ物なのか一瞬でわかる。機能的なネーミングである。

 

ここで、食品に限らず、さらには擬態語や「君」以外の敬称にも手を伸ばすと、世の中のものはほとんど全てにガリガリ君メソッドが適用できそうだ。

 

たらみのゼリーは「プルプル君」。
自動車はもちろん「ブーブー君」。
飛行機は「ビュンビュンさん」あたり、
自転車は「チリンチリン君」あたりが適切だろうか。
お気に入りの果物ナイフは「スパスパちゃん」だし、
仲間由紀恵は「サラサラ様」と呼びたい。

 

さて、面白くなってきた。どうやら、世の中にはガリガリ君メソッドで名前が付けられないものは存在しないようである。

 

しかも、ガリガリ君メソッドで付けた名前は、非常に親しみやすく、かわいらしい。口に出して呼びたくなる、楽しげな雰囲気だ。

 

これはつまり、あまり関わりたくないようなものや人も、ガリガリ君メソッドで名前を付ければ親しみやすくなるということではないだろうか。

 

子バエがたかる生ゴミは「プンプンさん」。
洗わなければならない使用済みの食器は「ドロドロちゃん」。
満員電車で音漏れさせている金髪の若者は「シャカシャカ君」。
それにキレているおばさんは「プンプンさん」。
夜の新宿をうつろな目で徘徊しているおじいさんはさしずめ「ウロウロさん」だろうか。

 

ほれ見たことか。親しみやすいことこの上ない。ガリガリ君メソッドは世界を平和にするのだ。

 

生ゴミとおばさんが同姓同名になってしまったことは、この際忘れよう。