六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

ハッピーバースデートゥーミー

今日は僕の誕生日だ。

 

ご存知の通り、誕生日とは生まれた日であり、祝うべきものである。僕も既に何人かの友人からお祝いの言葉をもらい、大変嬉しい限りである。

 

ところでこれは極めて当たり前のことだが、誕生日は一年ごとにやってくるものだ。生まれた日から数えて365日、8,760時間経つたびにお祝いをする。

 

これ、考えてみると不思議である。

 

一年という時間の長さは、地球が太陽の周りを回る、公転運動の周期に由来している。はるか昔、人々は太陽の位置で一年を知り、潮の満ち引きで一月を知り、日の出と日没で一日を知ったはずだ。

 

地球が太陽の周りを(地球で主に使われている一日という単位を使えば)365日で回るというのは、たまたま地球がそのくらいの公転周期になる場所にスッと入って落ち着いたからそうなっているだけで、何らかの理由があってそうなっているわけでは全くない。

 

もし恒星の周りを(地球でいう)一万年かけて回る惑星から宇宙人が来て、地球人の誕生日パーティーを見たら、「あいつらはなぜあんなに頻繁に誕生日パーティーをしているのか、アホか」と思うはずだ。

 

太陽系を見てみると、水金地火木土天海。つまり、地球は太陽系の惑星で三番目に公転周期が短い惑星であって、三番目に頻繁にお誕生日パーティーが開ける惑星なのだ。

 

一番外側の海王星の住人なんて、誕生日パーティーがめちゃめちゃ貴重なものとされているに違いない。今、ググってみたら公転周期は165年くらいらしい。

 

165年に一度しか来ない誕生日。そもそも死ぬまでに誕生日を経験できないし、めちゃめちゃ長生きして経験できたとしても、ロウソクを吹き消す息があまりの緊張に震えてしまいそうである。

 

さて、そんな幸運な星に生まれた僕は、今年晴れて23回目の誕生日を迎えた。地球の公転周期と、祝ってくれる気のいい友人たちに感謝して、今日一日を過ごそうではないか。