六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

MOTTAINAI

食べ物を残す人の気持ちがわからない。

何しろ、現代人はなにかと食べ物を残しがちである。

 

ふとファミレスで周りを見渡せば、散々ペチャクチャ喋った挙句、大量の料理を残して去って行くママさんグループや家族連れが目につく。その甘ったるそうなパフェを食ってる胃袋があったら、目の前のスパゲッティを片付けろよ。なあ。まあおれもパフェ好きだけど。別腹だけど。

 

居酒屋に目を移せば、一次会でたらふく食った癖に、二次会では食べ切れもしない料理をバカスカ頼み、大量のぬるいビールと共に、大量の料理をドカンと残すオッサンの多いこと、多いこと。

 

あれ、マジで理解できないのだ。

 

何も、死んでもいいからとにかく全部食え、と体育会的マッチョ論を振りかざしているわけではない。食べ切れないなら仕方ないだろう。人間の胃袋には限界がある。

 

あっちこっちでマーライオンが出現しても店内が阿鼻叫喚の地獄絵図と化すだけなので、そんなに無理して食べなくてもいい。ただし次回来店時は、今回の教訓を踏まえて少なめにしてもらおう。それだけのことだ。

 

ダイエット中、というのもまあわかる。アレルギーがあるのも仕方ない。どちらも頼む前にご飯を少なめにしてもらうとか、アレルゲンが含まれていないか確認するとかしてほしいところだが、まあ理由があるので許せる。(僕が許さないからなんなのだという話ではあるが)

 

しかし許せないのは、意味もなく残す輩である。特に理由はないけど、なんとなく食べたくないから。食べる気が起きないから。そういった「理由にならない理由」で食べ物を残す輩が、マジで理解できない。

 

だって、もったいないではないか。単純に。もったいなくない?

 

食べ物を残すという行為に、彼らは罪悪感を覚えないのだろうか。大量に頼んだ料理に一度も箸をつけず丸ごと残すなど、ノーベル平和賞ワンガリマータイさんが白眼を剥いてぶっ倒れるレベルのもったいなさではないか。

 

何も食べ物に限った話ではない。家中の照明を点けっぱなしにしたり、歯磨き中に水を出しっ放しにする人は、電気代がかかるとか、水道代がかさむといった金銭的損得勘定の前に、「もったいない」と思わないのだろうか。

 

……思わないのだろう。きっと。

 

結局これは価値観の違いでしかないので、僕一人が(こんな誰も見ていない場所で)ワーキャー言ったところで誰にも影響は与えないし、仮に与えたところでそう簡単に変わるものでもない。

 

飲食店で残され捨てられて行く大量の料理を見ても、蚊の鳴くような声で「MOTTAINAIMOTTAINAI…」と虚ろにつぶやきながら、唇を噛み締めて耐える他ないのである。

 

そして僕は、今日も自炊でごはんを作りすぎて、一人フードファイトを始めるのだった。食べ切れなくて腐らせたら、もったいないもんね。