六駅分のエトセトラ

家からオフィスまでの六駅で綴る何らかの文

裂けるだろ

今朝のおはよう日本で、無痛分娩が増えているというトピックが扱われていた。いま現在、妊婦の20人に1人は無痛分娩を行うそうだ。

 

出産は、痛いらしい。それも、我々の想像を超えて痛いという。「鼻からスイカを出す」とも表現されるが、冷静に考えて鼻からスイカは出ないだろう。鼻の穴が裂ける。それはそれは裂けまくりである。ろくすっぽ鼻もかめないだろう。せめてリンゴくらいなら…いや、リンゴも厳しい。ブドウで頼む。巨峰はキツいのでデラウェアが望ましい。

 

幸か不幸か僕は男なので、これから先鼻からスイカを出すことはならない。男に生まれてよかった。股間にぶら下がったあいつもたまにはいい仕事をする。

 

さて、そんなに痛いわけなのだから、痛みを軽減しようという話になるのは当然である。痛いのはみんな嫌なはずだ。その昔、麻酔がなかった頃、外科手術を行う際は患者に大量の酒を飲ませて感覚を鈍らせていたらしい。患者が泣き叫ばないように噛ませる猿ぐつわなんてのもあったそうだ。

 

それも一つの文化であったはずだから、頭ごなしに野蛮だと否定することはしないが、何しろ痛そうな話である。酒を飲ませて体をナイフで切る痛みを我慢させるなど、今では考えられない行為だ。

 

なのに、鼻からスイカは出させるのである。女性、泣き叫びまくり。だって鼻からスイカ出すんだもん。猿ぐつわの一つも欲しくなる。これはある意味「野蛮」なのかも知れない。

 

ただ、無痛分娩にはリスクがあるそうだ。麻酔を体の一部のみにかけるので調整が難しく、過去には全身に麻酔がかかってしまったせいで呼吸困難に陥り母親が死亡した例もあったらしい。新生児も脳に障害が残ったというし、大変痛ましい事故である。

 

また、「腹を痛めて産んだ子」とも言うし(これは少し意味が違うかも知れないが)、出産で痛みを感じることで生まれてきた子供に対する愛情が深まるという話もある。わからなくもないが、他人に強制するほどのものでもないだろう。自分の足で登っても、ロープウェイを使って登っても、高尾山の山頂から眺める景色は綺麗である。(高尾山に最近人が多すぎる件についてはまた別の機会に言及しよう)

 

結論としては、「もし僕が子供を産むなら絶対無痛分娩がいい、だって鼻からスイカを出したくないもん」ということに落ち着くだろうか。

 

ところで僕はスイカが大好物である。

 

スイカが食べたい。